忙しさにかこつけて、渉さんや京さんとまともに話をしていなかった。
京さんは脳内にいるからあまり変化は感じないが
渉さんの気配がどうも掴めない。
会話は何とかできるんだけど。
リアルが充実しているのはいいことだ、と言ってくれるが
別に充実しているとも思えないのが問題である。
ぼく「渉さん渉さん」
渉「なんだ」
ぼく「俺が死んだらお前はどうなるんだ?」
渉「さあ。消えるんじゃない?」
唐突な質問にも冷静に答える渉。
ぼく「じゃあ、俺がお前のことを忘れちゃったら?」
渉は少し考える。
渉「歩が俺のことを必要としなくなって、徐々に忘れていくんであれば、消えるんじゃないかな。
でもそれは、消えるって言うより、同化するっていう方が多分近いと思う」
ぼく「それなら、病気とか事故で記憶が消えた場合は?」
渉「…何だよいやな質問ばっかり」
ぼく「答えたくないならいいんだ、すまん」
渉はまた考える。
渉「その時にならないと分からないけど…俺は、消えない。消えたくない」
ぼく「でも俺は渉のことを覚えてないから、見えないし話せないし、お前が話しかけてきても気付かないだろ多分」
渉「それでも俺は、それがお前の望んだ結果じゃないんだったら、たとえお前が一生俺のことを思い出さなくても、ずっと側にいる」
ぼく「…それってすごく寂しくないか?」
渉「寂しいよ。だけど俺は耐えられる。お前と一緒にいられるなら」
嗚呼。
ぼく「お前が美少女なら俺歓喜なのに」
渉「身長縮めこのクソチビ」
ごめんなさいきみに言われると本当に縮みそうだからやめてください。
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